いつもの時間にいつものように家を出た僕は、最寄駅まで五分少々の散歩を、出勤前に楽しむことが出来る。夏の空は本当に青く、東から顔をのぞかせた太陽はさわやかな陽光と共に今日も良い天気であることを告げている。僕には、こういう青く澄んで綺麗な空を見ると思い出すことがある。もう何年前だっただろうか。確か十歳くらいの頃だったから、と指折り数えると愕然となる。すでにあの事件から二十年以上の時間が経過している。当時ガキだった自分ももう一児の父だ。
僕はもう一度空を見上げた。そこに、あの少女の姿が見えた気がした。
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